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施政方針

令和5年第1回市議会定例会(令和5年2月17日)、櫻田宏市長は施政方針演説を行い、新たな年度に向けた決意を表明しました。
以下に演説の内容を全文掲載します。

令和5年度施政方針

はじめに

昨年4月に弘前市長に再任してから、10か月が経過いたしました。この間、長引く新型コロナウイルス感染症の感染拡大や、8月上旬の記録的な大雨など、さまざまな課題に対して、常に、「市民生活を第一に」という基本的な考えのもと、市民の幸せのため、最善を尽くしてまいりました。

新型コロナウイルス感染症は、国内で感染が確認されてから3年を経過した今もなお、収束を見通せず、大きな影響を及ぼし続けておりますが、家庭や職場、地域などあらゆる場面における変化に対応し、市民生活を着実に前進させるため、今後もしっかりと責務を全うしてまいります。

 

「健康都市弘前」実現のための取組

市政の最重要事項として取組を進めている「健康都市弘前」は、新型コロナウイルス感染症へ対応する中で改めてその重要性や大切さを強く実感した『健康である』ということを、市政運営の基軸に据えて、市民一人ひとりが、長く元気にいきいきと活躍する「ひとの健康」を重視したまちづくりに加え、健康医療関連産業の誘致などにより雇用の場が確保され、所得も向上する「まちの健康」にも力を注ぐまちづくりに取り組み、その両立を目指すものであります。

その実現は、市民の皆様との間で交わした約束であり、市民の幸せのために、弘前の将来を見据え、既に、多くの方々の御協力の下、様々な取組を進めてきております。

突発的な出費となり、家計の圧迫につながる子ども医療費につきましては、令和5年4月1日から、所得制限を撤廃し、18歳となる年度末までの保険診療分に係る医療費を完全無償化することとし、本定例会において関連議案を提出するなど、実施に向けた準備を進めているところであります。

長年、岩木健康増進プロジェクト健診の実施などにより協力関係を築いてきた弘前大学との連携におきましては、新たな組織として「まちかつ弘前3C(キューブシー)」を設立し、定期的に「健康都市弘前」の実現に向けた意見交換や情報共有を行っております。また、同大学が推進する、健診後にその場で結果を知り行動変容を促すQОL健診を、より多くの方に受診していただけるよう積極的な普及展開を図ってまいります。

さらに、弘前大学を代表機関とし、当市、青森県、東京大学をはじめとする全国の大学や多くの民間企業等が参画する弘前大学健康未来イノベーション研究機構、いわゆる弘前大学COI-NEXTによる、ヘルスケア産業の創出によりクオリティー・オブ・ライフの高い状態での健康寿命の延伸を目指すプロジェクトは、「健康都市弘前」の考え方と合致しており、市としても幹事自治体の立場で責任をもって取り組んでまいります。

このような取組を、一歩一歩積み重ね、市民の皆様との約束を着実に成し遂げてまいります。

 

弘前市総合計画 後期基本計画について

次に、弘前市総合計画についてであります。

前期基本計画が今年度をもって計画期間を終えることから、基本構想で定めた将来都市像である「みんなで創り みんなをつなぐ あずましいりんご色のまち」の実現に向け、令和5年度から令和8年度までの4年間を計画期間とする弘前市総合計画 後期基本計画を本年度内に策定いたします。

後期基本計画では、「健康都市弘前の実現」を市政の基軸に据えながら、市民の「いのち」を大切にし、市民の「くらし」を支え、次の時代を託す「ひと」を育てる、この3本の柱を基本方針に掲げ、「ひとの健康」、「まちの健康」、「みらいの健康」に関する取組をリーディングプロジェクトとして位置づけ、一体的かつ重層的に展開し、総合計画全体の質の向上と、着実な成果目標の達成を目指してまいります。

 

「ひとの健康」では、すべての市民が健康で長生きできるまちづくりに取り組みます。

子どもたちを対象とした各種健康教育や食育、運動に関する事業を強化するなど、幼少期からの健康と運動の推進を図ります。

官民連携による運動習慣の定着や、健康意識の向上に係る取組のほか、若い世代のがん発症予防、早期発見・早期治療につながる取組などにより、働き盛り世代の健康づくりを支援します。

また、高齢者向けの介護予防運動や、居場所づくり等の取組を拡充するほか、弘前大学との連携をさらに強化し、QOL健診の普及を加速させることで、市民の生活習慣を改善し、平均寿命や健康寿命の延伸を目指すなど、高齢者を含む全ての世代の健康長寿延伸を推し進めます。

 

「まちの健康」では、快適なくらしを送れるまちづくりに取り組みます。

高齢化や担い手の減少が進行している農業では、農産物を安定的に生産する基盤の維持・強化に引き続き取り組むほか、健康医療関連産業の誘致に積極的に取り組むなど、足腰の強い産業を育成しながら、雇用の確保と所得の向上を図ります。

令和4年9月から着手している「健康とまちのにぎわい創出事業」では、働き盛り世代の市民を主なターゲットに、食や運動をテーマとして、健康を切り口に中心商店街を訪れていただく機会を創るなど、市民の健康増進と連動するかたちで中心市街地における健康・医療、福祉、子育てなどの機能強化を推進します。

さらには、公共施設等への再生可能エネルギー設備等の導入可能性を検証し、二酸化炭素排出量の削減を図るほか、プラスチック資源一括回収などの更なる資源循環について広域での協議を進めるなど、カーボンニュートラルに資する取組を積極的に推進することにより、市民もまちも、自然も産業も、すべてのものが元気で健康となる住みよいまちづくりを推進します。

 

「みらいの健康」では、地域の未来を担うひとづくりに取り組みます。

様々な年代のリーダーや地域コミュニティの担い手、高校生を含む若者がまちづくりに参画できる環境をさらに整備し、複雑化する地域課題の解決につなげるほか、ひろさき健幸増進リーダーや弘前市食生活改善推進員など、市民の健康づくりに関わる人材を育成します。

少子化による若年労働力の減少や、従事者の高齢化、後継者不足などにより、地域産業を支える人材の確保が困難になっており、農業の新たな担い手や地元企業への就職希望者、観光やまちづくりに対して主体的に活動する市民など、地域産業を支える人材を育成します。

また、市立小・中学校の全学年、全児童生徒へのAIドリル導入を支援し、一人ひとりの学習状況に応じた指導を行うことで学力の向上を図るほか、小・中学校の改築や洋式トイレの増設、児童館・児童センターへのエアコンの追加設置など、子どもたちの学習環境等を整備します。

 

この他、複雑・多様化する地域課題に対しても、迅速かつ効果的に対応し、市民との協働のもと持続可能なまちづくりを着実に進め、子どもから高齢者まで全ての市民の幸せな暮らしの実現を目指してまいります。

 

これまでの取組、これからの取組の一つ一つが、健康都市弘前を実現するための『種』であります。長期的な視野に立ちながらも、確かな場所に、確かな時機にその種を蒔き、しっかりと丁寧に育て、色とりどりのりんごのようにふさやかに結実させ、市民一人ひとりのくらしを支え、いのちを守るまちづくりを進めてまいります。

先人たちが築き上げてきた美しいまち弘前。今の弘前があるのも、幾多の困難を乗り越えてきた先人たちの並々ならぬ努力、信念、郷土愛など弘前の発展を願う気概の賜物であります。健康であることの尊さを深く感じ入る今だからこそ、このまちに住む人々、関わる人々が元気で長生きできるようなまちづくりを進め、しっかりと引き継いでいかなければなりません。

先人から受け継いだ、弘前のまちなみ、歴史・文化、温もり、緑豊かな自然など、美しきふるさとを生まれ来る子ども達に、次の代に引き継ぐために、市民と行政が一丸となって、弘前の将来を創り上げてまいります。

 

令和5年度予算案

続きまして、令和5年度予算案についてご説明申し上げます。

令和5年度予算案は、令和5年度から始まる弘前市総合計画の後期基本計画と連動し、「健康都市弘前」の実現に向けた取組を中心に編成いたしました。

主な取組に係る予算といたしましては、完全無償化とする「子ども医療費」に、5億87万9千円、旧市立病院の改修に係る実施設計などを進める「健康づくりのまちなか拠点整備事業」に、1億1千256万1千円、石川小・中学校及び第二中学校の整備に加え、老朽化が進む桔梗野小学校の改築に着手する「小・中学校改築事業」に、14億7千921万3千円を計上するなど、「健康都市弘前」の実現を着実に進める予算としております。

また、社会経済状況及び市民ニーズを踏まえた新たな取組のほか、「弘前市協働によるまちづくり基本条例」の考え方に基づき、多様な主体と協力・連携し合いながら魅力あふれるまちづくりを進める取組に係る予算についても計上しているものであります。

 

それでは、各会計の予算規模等について申し上げます。

令和5年度の一般会計予算の総額は、789億8千万円となっており、令和4年度の当初予算と比較すると1億6千万円、0.2パーセントの増で、補正第1号後、いわゆる肉付け後予算との比較では、10億8千215万7千円、1.4パーセントの減となっております。

歳入予算の款別の構成比では、市税が200億6千209万5千円で、25.4パーセント、地方交付税が193億円で、24.4パーセント、国庫支出金が151億352万4千円で、19.1パーセントとなっております。

歳出予算の款別の構成比では、民生費が338億1千935万9千円で、42.8パーセント、教育費が84億5千217万6千円で、10.7パーセント、公債費が87億2千295万8千円で、11.0パーセントとなっております。

歳出予算の性質別の構成比では、扶助費が228億1千347万円で、28.9パーセント、物件費が116億5千216万6千円で、14.8パーセント、補助費等が99億9千671万4千円で、12.7パーセントとなっております。

 

次に、各特別会計、企業会計予算について申し上げます。

特別会計では、効率的・合理的な事業運営に努めることとしており、企業会計におきましても、効率的な経営に努めることとしております。

国民健康保険特別会計予算は、178億3千568万3千円で、令和4年度に比べ、5億6千968万6千円、3.1パーセントの減となっております。

後期高齢者医療特別会計予算は、22億3千723万3千円で、令和4年度に比べ、2千69万1千円、0.9パーセントの増となっております。

介護保険特別会計予算は、209億4千297万3千円で、令和4年度に比べ、4億5千575万2千円、2.2パーセントの増となっております。

水道事業会計予算は、収益的収支において、収入が42億3千299万6千円、支出が37億1千185万1千円で、資本的収支では、収入が30億8千94万6千円、支出が54億4千301万6千円となっております。

下水道事業会計予算は、収益的収支において、収入が52億9千916万3千円、支出が53億2千587万2千円で、資本的収支では、収入が24億1千389万円、支出が46億8千622万円となっております。

 

終わりに

以上、令和5年度の市政運営に関する所信の一端及び予算大綱について申し述べてまいりました。

厳しかった冬が終わると、弘前にも桜が咲く季節が訪れます。弘前公園の代表的な桜、ソメイヨシノ。多くのソメイヨシノが樹齢60年を超えると樹勢が衰え花芽を減少させると言われる中、弘前公園のソメイヨシノは、樹齢100年を超えてもなお、枝全体に若木のように数多くの花を咲かせているものも多く、より長く私たちに花を愛でることの豊かさを教えてくれます。

桜を求めて春を待つ。これを楽しみとし、できるだけ多くの桜を、できるだけ沢山の市民とともに楽しみたい。桜だけではなく、このまちの美しさを受け継ぎ、山積する課題には道筋をつけて次の代に繋ぎたい。

「いのち」を繋ぎ、「くらし」を繋ぎ、「ひと」を繋ぐ。

今を生きる私たちの使命として、市民の皆様と共に、健康都市弘前を創りあげる。そのことは、今後生まれ来る子ども達が、このまちを美しきまちとして受け継ぎ、そして、より良いまちにし、その次の時代に必ず譲り渡してくれることに繋がるものと信じております。

 

市民に最も近い自治体の長として、また、市民の役に立つ所の長として、市民の期待と信頼に応え、ここで暮らすことを幸せだと実感していただけるまちづくりを進めるため、これからも市民目線での市政運営に邁進してまいりますので、市民の皆様並びに議員各位の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

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