国の重要文化財に指定されている天守や櫓、城門は、昭和30~40年代に保存修理工事を行っており、約70年の歳月が経ち、各部材の傷みが見られるようになったことから、耐震補強を含め「令和の修理」として、重要文化財9棟の修理を順次行っており、令和3~4(2021~2022)年度には、二の丸南門と三の丸追手門の保存修理工事を行いました。
現在、令和7~8(2025~2026)年度の2か年で二の丸東門と北の郭北門の保存修理工事を実施しています。令和7(2025)年9月から着工したもので、11月末時点の進捗状況をお知らせします。
なお、二の丸東門と北の郭北門については、弘前城かわら版vol.14(二の丸東門)
・vol.15(北の郭北門)
をご覧ください。
また、工事内容については、本ホームページトップ下段の工事内容
をご覧ください。
耐震診断の結果、大地震により門が浮き上がる恐れがあるため、土台下にカウンターウェイト(コンクリート製のおもり)を埋設し、門と一体化させる耐震補強を行います。そのカウンターウェイトを埋設するため、土間コンクリート叩きの一部を解体しました(写真1・2)。
昭和の修理の際には、補強のため、礎石の下に栗石をかい当てて、根巻コンクリートで補強している様子がうかがえました(写真3)。柱の下に礎石、根巻コンクリート、栗石があり、その下が地面となります。
写真1(左上) 二の丸東門土間コンクリート叩き解体状況(北西から)
写真2(右上) 北の郭北門土間コンクリート叩き解体状況(東から)
写真3(左下) 北の郭北門礎石
屋根や外壁等の修理のため門の周囲に仮設足場を設置しています(写真4・5)。
写真4(左) 二の丸東門仮設足場設置状況(南東から)
写真5(右) 北の郭北門仮設足場設置状況(東から)
仮設足場上から見た各部材です(写真6~11)。
写真6(上段左) 二の丸東門鯱・大棟鬼板
写真7(上段右) 二の丸東門2階東側妻
写真8(中段左) 二の丸東門2階東側妻蕪懸魚(かぶらけぎょ)
写真9(中段右) 北の郭北門2階隅棟鬼瓦(銅板)
写真10(下段左) 北の郭北門2階隅棟鬼瓦(銅板)横
写真11(下段右) 北の郭北門2階西面屋根(北から)
銅瓦葺等の調査、鯱や鬼板等の取外し、金具補修などを行います。