留学生インターンシップによるジャズ喫茶の取材記事(2026.8.10)
弘前大学の留学生、インターンシップで弘前市役所を訪れたリパローティ・シモーナさん(イタリア出身)による弘前市のジャズ喫茶の取材記事をご紹介します。
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🎷弘前のサウンドスケープの特徴であるジャズ喫茶🎺
私たちが耳にする音の風景は、目に映る景色と同じくらい大切なものだ。どこかの街を訪れるとき、記憶に刻まれるのは美しい風景だけではなく、音や香り、そして味も、深く心に残り続ける。もし、「弘前はどんな音がするか」と聞かれたら、私は迷わず「ジャズ」と答える。
生演奏であれ、レコードで流されるものであれ、弘前の薄暗く居心地の良い小さなジャズ喫茶に行ったら、大音量のジャズ音楽に巻き込まれる。音楽とコーヒーの香りが染み込んだその空間に足を踏み入れれば、ノスタルジックで空気が響き合う独特の雰囲気を感じられ、まるで1960年代にタイムスリップしたかのような感覚になる。
ただし、ジャズ喫茶はそのレトロな雰囲気や過去への旅情があっても、ジャズ喫茶がただの博物館になってしまったわけではない。今も世代や国籍を超えてミュージシャンたちが集い、音を重ね合わせる生きた交流の場であり、人々を温かく迎え入れてくれる場所だ。地元の人だけでなく、他の県、海外からの演奏者も弘前のジャズの世界に引き寄せられ、同じステージで演奏する。このような弘前のジャズの世界の多様性は、ジャズ音楽と日本の伝統文化が組み合わさる「浴衣deジャズ」のようなイベントにも見られることだ。
SNSで人気のある大都市のカフェはいくらでも見つけられるけれど、どんなにおしゃれでも、弘前のジャズ喫茶が持つ心地よくこじんまりとした空間や、人と音楽の近さが感じられるイメージはないと思う。少人数が集まり、コーヒーやお酒を前に音楽という経験を分かち合う、そしてそこで出会う人と言葉を交わすというのが弘前でしかできない経験だといえるだろう。
弘前とジャズ、そしてコーヒーの深いつながりをもっと知りたくて、お店のマスターたち、そしてその特別な空気を作り出している演奏者の話を聞いた。
やはり、ジャズはアメリカからもたらされた音楽で、ジャズとともにそれに強く結びついているお酒とコーヒーの文化も一緒に広がった。ただ、食事ではなく、飲酒と傾聴の文化が続いているのは食事に集中するより、音楽に耳を傾け、軽く何かを飲んで喫茶の雰囲気を楽しむことが大事だからだと思う。
ジャズは、弘前だけの固有の文化ではないかもしれないが、弘前の個性だと思う。コーヒーを飲みながらジャズの生演奏に浸る土手町でのコーヒーフェスティバルに参加した方なら、きっとその感覚がわかってくれるはず。一つひとつのお店が独自の雰囲気を持っているのが多様なジャズ喫茶のある弘前の魅力だ。レコードが簡単に手に入らなかった時代、人々は音楽を求めて喫茶店に集まった。現代ではネットでどんな曲でも手軽に聴けるけれど、それでも私たちは、あの体験を求めてジャズ喫茶へ足を運んでしまう。
弘前のジャズ喫茶は文化や時代が交差する場所だ。演奏を聴き、言葉を交わすうちに、きっとその世界に引き込まれていく。今度弘前を歩いたら、ぜひジャズ喫茶に立ち寄って、大音量でジャズ音楽のエネルギーを浴びてみてください。時間が止まったかのような遠い世界へ旅しながら、人や音楽との距離がこの上なく近く感じられる、特別な経験になるはずだ。














