平成28年4月1日から、すべての国民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を図ることを目的として、『障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号)』(障害者差別解消法)がスタートしました!
平成23年の『障害者基本法』の改正において、障がい者に対する差別の禁止が基本原則として明示され、社会的障壁の除去を怠ることによって障がい者の権利利益を侵害することのないよう、必要かつ合理的な配慮がされなければならないことが規定されました。
平成25年6月には、『障害者基本法』の基本原則を具体化する『障害者差別解消法』が制定され、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本的事項」や、「国や地方の行政機関及び民間事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置」などについて定めることによって、すべての国民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を図ることを目的とした法律です。
「障がい者」とは
身体障がい、知的障がい精神障がい(発達障がいを含む。)その他の心身の機能の障がいがある者であって、障がい及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある人が対象です。よって、障害者手帳を持っている人とは限りません。
「事業者」とは
分野を問わずすべての事業を行う者をいい、行政機関、民間会社、個人事業者や非営利で活動する団体も対象になります。
事業者ではない個人の言動については本法の対象になりません。(ただし、何人も障がい者に対して、障がいを理由として差別するなどの権利利益を侵害してはならない〔障害者基本法〕とされています。)
「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の不提供」の2つの類型があります。
「不当な差別的取扱い」とは
障がいを理由として正当な理由なく、サービスの提供を拒否したり、場所や時間を制限したり、障がい者でない者には付けない条件を付けたりするような行為をいいます。なお、障がい者を障がい者でない者に比べ優遇する取扱いは、不当な差別的行為には該当しないとされています。
「合理的配慮の不提供」とは
障がい者から何らかの配慮を求める意思の表示があった場合には、過度な負担にならない限り、社会的障壁を取り除くために必要な合理的配慮をすることが求められますが、このような配慮をしないことをいいます。
行政機関(独立行政法人を含む)には、不当な差別的取扱いを禁止し、合理的配慮を義務づけています。
民間事業者には、不当な差別的取扱いを禁止し、合理的配慮をする努力を義務づけています。
行政機関 | 民間事業者 | |
不当な差別的取扱い | 禁 止 | 禁 止 |
合理的配慮の提供 | 法的義務 | 努力義務 |
・お店に入ろうとしたら、車いすを利用していることが理由で断られた。
・スポーツクラブや習い事の教室などで、障がいがあることを理由に断られた。
・アパートの契約をするときに、障がいがあることが理由で貸してもらえなかった。
これらは、障がいのない人と違う扱いを受けていますので、「不当な差別的取扱い」であると考えられます。
ただし、ほかに方法がないなど正当な理由がある場合は、「不当な差別的取扱い」にならないこともあります。
・車いすの人が乗り物に乗る時に手助けをすること
・窓口で障がいがある人の障がいの特性に応じて、筆談、読み上げなどのコミュニケーション手段で対応すること
など、障がいのある人が困っている時に、その人の障がいに合った必要な工夫や、やり方を相手に伝えて、それを相手にしてもらうことを“合理的配慮”と言い、ほかには以下のことが考えられます。
・肢体不自由の障がい者に対して、施設内で高いところに配置している商品や書物を取って渡すこと
・立って順番を待っている場合、周囲の理解を得た上で、歩行が困難な障がい者に順番が来るまで別室を準備すること
各府省庁において、それぞれ所管分野の事業者が、不当な差別的取扱いの禁止及び合理的配慮の提供について適切に対応するための対応指針を定めています。(法第11条)
弘前市では、職員が障がい者に対して、差別的取扱いをせず合理的配慮が適切に行われるよう、職員向けのマニュアル(職員対応要領)を定めました。(法第10条)
担当 障がい福祉課 障がい者医療・給付係
電話 0172-40-7036
ファクス 0172-32-1166