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博物館概要-建築としての博物館-

建築としての博物館


  弘前市立博物館は、20世紀最大の建築家ル・コルビュジエの弟子で、日本モダニズム建築の旗手と言われる前川國男(まえかわ くにお)による設計です。市内には最初の作品である木村産業研究所(1932年)をはじめ8棟の前川建築が残されるとともに、近年は文化財に登録されるなど高い評価を受けています。

 

前川建築

 1.前川國男と弘前

 前川國男は、2016(平成28)年に世界文化遺産登録された国立西洋美術館などの設計者であるル・コルビュジエから建築を学びます。前川の建築思想は、劣悪な生活空間の改善と健康的な都市への再編であり、建物が建つ土地の風土、環境や使う人たちに配慮して設計したとされ、日本では北は札幌から南は石垣島まで数多くの建物を残し、近代建築の巨匠といわれています。

 前川と弘前との関わりは、母の菊枝(きくえ)の実家が弘前藩士の田中家であったことと、その兄で、国連大使などを務めた佐藤尚武(なおたけ:外交官・佐藤愛麿(あいまろ)の養子)が大きく影響します。

 前川がコルビュジエのもとで学んだ昭和3年当時、尚武は国際連盟事務局長としてパリに赴任していました。その頃、旧弘前藩士の木村静幽(せいゆう:広島電力社長)の孫の隆三(りゅうぞう)もフランス駐在武官として赴任しており、尚武を頼って渡仏した前川と隆三は出会い、親交を深めることとなります。それが縁で、前川は帰国後、隆三の依頼で「木村産業研究所」を設計し、弘前と前川の絆が生まれるのです。

 その後、隆三の兄の新吾が青森県立弘前中央高等学校のPTA会長であったことから「講堂」の設計を前川に依頼し、以降、弘前市にゆかりのある建築家として前川は市役所関連施設を設計することとなります。

                                                                          

〇前川國男の略歴

西暦 元号 出   来   事 年齢

1905

1928

1930

1932

1935

1950~

60年代

1954

1958

1964

1971

1976

1980

1983

1986

明治38

昭和3

昭和5

昭和7

昭和10

 

 

昭和29

昭和33

昭和39

昭和46

昭和51

昭和55

昭和58

昭和61

新潟県で誕生

東京帝国大学卒業後にフランスへ留学し、ル・コルビュジエに師事

帰国

最初の設計「木村産業研究所」(国登録有形文化財)竣工

独立して事務所を設立

建築界の主要な賞を次々に受賞

日本建築学会賞作品賞・大賞、日本芸術院賞など

「弘前中央高等学校講堂」竣工

「弘前市庁舎(本館)」(国登録有形文化財)竣工

「弘前市民会館」竣工

「弘前市立病院」竣工

「弘前市立博物館」竣工

「弘前市緑の相談所」竣工

「弘前市斎場」竣工

生涯を閉じる

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2 弘前市立博物館の建設

 1961(昭和36)年、青森県議会において弘前市への県立博物館建設の請願が採択されます。その後、弘前市では弘前公園内の三の丸への建設について、文化庁をはじめ関係機関で検討します。そのような中、1973(昭和48)年、弘前相互銀行(現:みちのく銀行)創立50周年を記念して、唐牛敏世(かろうじ びんせい)頭取より博物館建設のため1億円の寄付申し出があり、博物館建設が具体化することとなります。同年、弘前市立博物館建設基本事項を策定し、翌年には弘前市立博物館建設準備室が発足します。

 1975(昭和50)年には史跡弘前城跡の現状変更許可を得て、7月に建物本体工事に着工します。設計にあたって前川は、史跡景観に配慮して樹木を伐採せずに、弘前城跡に調和するよう努めたとされます。施工は清水建設で、翌年8月に竣工し、1977(昭和52)年4月20日に開館式、22日より一般公開されます。また、翌年には博物館法に定める登録博物館となり、1979(昭和54)年の前庭整備で完成となります。

 

〇建設工事の様子

着工前(白線が建物配置、右は廃止された市営野球場)

コンクリート打設

打ち込みタイル工事

竣工(手前は廃止された市営野球場)

 

3 弘前市立博物館の特徴

(1)「打ち込みタイル」の外壁

 タイルを型枠に先付けし、鉄筋を組んでコンクリートを流し込む工法で、前川建築後期によく見られる特徴です。博物館のほか市役所新館、緑の相談所、斎場で使われています。

 

(2)コンクリート斫(はつ)り仕上げ

 コンクリートの表面をハンマーなどで叩いてわざと削り、その表面に変化をもたせる工法で、博物館ロビー壁面に見られます。現在では削ったように見せる技法が主ですが、この壁は当時の職人がコツコツ叩いて削ったもので、平成25年度の改修工事の際には他の壁の内側から斫りの練習跡が見つかっています。

 

(3)コンクリート打ちっぱなしの柱

 木で桶のように作った円柱(本実型枠(ほんざねがたわく))に、コンクリートを流し込んで木目を写し取り、コンクリートながらも木製のような温かみを感じる柱。

 

(4)ホール天井のトップライト

 外から見ると突き出している部分は、ホール天井のトップライトとなっていて、暗くなってから館内のライトをつけると光が外に漏れだし、非常にきれいな光景を見ることができます。雪灯籠をイメージして作られたと言われています。

 

(5)景観

 前川國男は、博物館を建てる際に弘前城の景観への調和を重視して樹木を伐採せずに計画したとされています。博物館ロビーからは、手前に松やハリギリの大木、左手には岩木山、右手には弘前城二の丸未申櫓(国重要文化財)が見え、前川が見せたかった自然と歴史が調和した景観が広がります。

ロビーから望む

  夜間の光景

 

〇参考文献

『アーハウス創刊号』 2005年 アーハウス編集部 森内忠良

『生誕100年前川國男建築展図録』2005-2006年 生誕100年・前川國男建築展実行委員会

 

 建築としての受賞歴


  1. BELCA賞 1997年



ロングライフを考慮した設計のもとに建築され、長年にわたり継続的な維持保全に努めた優秀な建築物に与えられる賞。弘前市民会館とともに受賞。
   
  2. 公共建築百選 1998年

 

地域社会への貢献度が高く、地域に根ざした優れた公共建築に選ばれる。
   
3. 弘前市景観重要建造物 2014年

 

地域の景観上のシンボルとして親しまれ、個性豊かで魅力的な景観づくりに大きな役割を果たしている建造物として選ばれる。

 

 


 

問い合わせ先

担当 博物館

電話 0172-35-0700

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